片桐且元 (小学館文庫)



片桐且元 (小学館文庫)
片桐且元 (小学館文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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戦国時代狂

方広寺鐘銘事件をこれほどまでに完璧に記述した小説がかつてあったかと思うほどすばらしい。歴史の脇役でしかない且元を見事に描いていると思う。駿府城での出来事以降の扱いは他の書物と異なるところがあり違和感がないでもないが実に痛快だ。鐘銘事件といえば「黒衣の宰相」金地院崇伝と合わせて読むと実に感慨深い。歴史小説138作品目の感想。
片桐且元とその環境

同書の主人公は片桐且元である。ではあるのだけれど、片桐且元その人の描写よりも、むしろその周りを取り巻く人の描写に長けた一冊だと思う。特に織田常真(信雄)の描写は秀逸。晩年は本当に同書に書かれているような生活を送っていたのではないかと心ならずも思わされてしまう。戦国時代の人物、とりわけ歴史の教科書では扱われないようなマイナーな人物に興味関心のある方にはぜひおススメしたい一冊。とはいうものの最後は少し急ぎすぎた感アリ。よって評価は星3つにとどめておきます。
目立たぬ武将

 日本史好きの人はともかく、さして日本史が好きでもないという人で片桐且元の名を知っている人がどれほどいるだろうか。僕は日本史好きの時代小説好きだがこの本を読むまで片桐且元の名こそ知れどもその経歴は全くと言ってイイほど知らなかった。それほど目立たない武将だった片桐且元がこの本の中で生き生きと四面楚歌の中で四苦八苦している。この本で、僕は片桐且元に関する考え方が変わってしまった。どのように変わってしまったかは読んでいただければ分かると思う。

 また、この本の作者である鈴木 輝一郎先生は綿密な史実調査を元に本を書かれるので歴史好きの人も満足できるし、そう出ない人も先生独特の人生観やリズムのいい展開を楽しむことができると思う。

 この本自体がオススメなのはモチロンだが、僕はこの作者の全書籍をオススメしたい。この本は文庫版だけあって安価で場所をとらないので鈴木 輝一郎先生作品の空気をつかむのにぜひ試しに買っていただきたい。



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